2026/4/13

建設業許可が更新できないケースとは?

建設業許可は、一度取得すればずっと使えるものではありません。

許可の有効期間は5年で、引き続き建設業を営むには、満了日の30日前までに更新申請をする必要があります。

更新申請を怠った場合は満了日経過後に許可の効力を失ってしまいます。 

 

ただ、実務では

「更新書類を出せば必ず更新できる」

と思われがちです。

実際には、期限の問題だけでなく、許可要件を満たしていない場合や、届出漏れがある場合など、更新が難しくなるケースがあります。

建設業許可が更新できない、または更新で処理できない代表的なケースをわかりやすく解説します。

 

期限を過ぎてしまったケース

 

もっともわかりやすいのが、更新申請の期限を過ぎてしまったケースです。

建設業許可の更新申請は、満了日の30日前までに行う必要があります。

更新申請をしないまま満了日を過ぎると、その時点で許可の効力を失います。

この場合、単に

「遅れて更新する」

という感覚では済まないことがあります。

少なくとも、満了日後は従前の許可はそのまま残りません。

更新申請を期限内に出している場合は、処分があるまで従前の許可が有効とされますが、期限を過ぎてしまうとその扱いは受けられません。 

 

許可要件を満たさなくなっているケース

 

更新が難しくなる大きな理由の一つが、許可要件を維持できていないケースです。

建設業の許可を受けるためには、適正な経営体制があること、適切な社会保険に加入していること、営業所ごとに営業所技術者等を配置していること、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと、財産的基礎または金銭的信用を有していること、そして欠格要件に該当しないことが必要とされています。 

更新は

「新規より軽い審査」

と誤解されることがありますが、更新でも許可基準を満たしているか確認されます。

審査の結果、許可基準を満たしていないと判断された場合には許可の拒否通知が送付されます。

更新時に要件を欠いていれば、更新できない可能性があります。 

 

営業所技術者等がいないケース

 

特に注意したいのが、営業所技術者等に関する問題です。

営業所ごとに一定の資格や経験を持つ営業所技術者等を専任で置く必要があり、許可取得後に営業所技術者等が不在となった場合は、許可の取消しの対象等になるので注意が必要です。 

たとえば、技術者が退職したのに後任がいない、担当業種に必要な資格や実務経験が足りない、専任性を満たしていない、といった状態では更新以前に許可維持そのものが危うくなります。

更新の直前になって慌てるのではなく、日頃から技術者の配置を確認しておくことが大切です。 

 

欠格要件に該当してしまったケース

 

更新できないケースとして、欠格要件も見落とせません。

許可を受けるためには欠格要件に該当しないことが必要です。

一定の欠格事由に該当したときは許可取消しの対象になるとされています。 

このため、更新の時点で欠格要件に当たる事情があれば、単に書類を整えるだけでは更新はできません。

法令上の要件を満たしているかどうかを、形式面だけでなく実質面でも確認する必要があります。

 

変更届や決算変更届が未提出のケース

 

更新できない、または更新手続きが進みにくくなる実務上の原因として非常に多いのが、変更届の未提出です。

必要な変更届や廃業届等が届出期間内に提出されていないと、許可申請の手続きを行うことができない場合があります。 

埼玉県では、決算報告は毎年必ず事業年度終了後4か月以内に提出しなければならないとされています。

更新時に過去の決算変更届や役員変更、営業所移転、技術者変更などの届出漏れが見つかると、更新申請の前にそれらを整理しなければならず、スムーズに進まないことがあります。 

 

更新ではなく「新たな許可申請」が必要になるケース

 

最後に大切なのが、

「更新できない」

というより、そもそも更新という手続きでは処理できないケースです。

埼玉県では、事業承継の認可を申請しないまま、個人事業主の死亡等で個人が事業を承継した場合、個人事業から法人化した場合、法人を解散して新たに法人を設立した場合などは、廃業届を提出し、新たに許可を申請するよう案内しています。 

事業の実態は続いていても、許可の主体そのものが変わっていれば、単純な更新では済まないことがあります。

この点を誤解していると、

「更新時期になったらそのまま更新すればよい」

と思って準備が遅れやすくなります。 

 

まとめ

 

建設業許可が更新できないケースとしては、期限を過ぎた場合許可要件を満たしていない場合営業所技術者等が不在になっている場合欠格要件に該当する場合必要な変更届や決算変更届が未提出の場合、そして更新ではなく新たな許可申請が必要な場合が代表的です。

更新は、期限さえ守ればよい手続きではありません

自社の許可要件や届出状況を早めに確認しておくことが大切です。

「うちは更新できる状態か不安」

「どこに問題があるか整理したい」

という場合は、建設業許可に詳しい渡邉行政書士事務所にご相談ください。